企業担保(読み)きぎょうたんぽ

精選版 日本国語大辞典 「企業担保」の意味・読み・例文・類語

きぎょう‐たんぽ キゲフ‥【企業担保】

〘名〙 企業に必要な資金を調達するため、株式会社の総財産一体として担保に供すること。英・米法の浮動担保などにならい、わが国でも昭和三三年(一九五八企業担保法によって制度化された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「企業担保」の意味・わかりやすい解説

企業担保
きぎょうたんぽ

企業は一定の目的により組織化された機能的財産の統一体として、企業を構成する各個の財産の価値の総和以上に高い交換価値を有しており、また、企業の財産は日々増減変動している。企業担保とは、そうした企業自体の高い価値を担保にした金融の道を開くため、融資を受ける際に担保の目的となるものを特定する必要性(近代法上の担保物権における特定の原則)を排除して、企業の有機的統一体としての担保価値を、企業の運営にしたがって変動する時々の状態において把握しようとする仕組みである。わが国では、企業の有する担保価値を十分に発揮させるため、財団抵当制度の欠陥を補うべき要請一般担保ゼネラル・モーゲージ)制度を広く利用すべき要請とを背景にして、株式会社が発行する社債ないし法定される一定の借入金についてその会社の総財産のうえに約定による優先弁済権を認める制度として、1958年(昭和33)に制定された企業担保法によって認められている。

[福原紀彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android