仮の宿(読み)カリノヤド

デジタル大辞泉 「仮の宿」の意味・読み・例文・類語

かり‐の‐やど【仮の宿】

一時的に身を寄せる所。また、旅先の宿。仮の住まい。
「ありはてぬうき世の中の―いづくにわきて心とどめん」〈続千載・雑下〉
仮の世」に同じ。
「世をいとふ人とし聞けば―に心むなと思ふばかりぞ」〈新古今羇旅

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精選版 日本国語大辞典 「仮の宿」の意味・読み・例文・類語

かり【仮】 の 宿(やど)

① 仮に住んでいる家。また、旅先での宿り。かりのや。かりのやどり。
※後拾遺(1086)雑六・一一九三「道とほみ中空にてやかへらまし思へばかりの宿ぞうれしき康資王母〉」
※新千載(1359)雑下・二〇六六「我れかくて稲葉もる身と成りぬるをかりの宿とや人の見るらん〈藤原基任〉」
② (多く暗示や比喩として用いられて) 無常である世。はかない、この世。現世。かりの家(や)。かりのやどり。
※世阿彌筆本謡曲・江口(1384頃)「人とし聞けばかりのやとに、心留むなと、思ふばかりぞ」

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