以南村(読み)いなんむら

日本歴史地名大系 「以南村」の解説

以南村
いなんむら

幡多はた庄を構成した一村。嘉応元年(一一六九)八月日の金剛福寺僧弘(「蠧簡集」所収金剛福寺文書)の、「蹉御崎住僧弘重陳」として金剛福こんごうふく寺領について述べたなかに「伊南弐町」とみえる。建長二年(一二五〇)一一月日の九条道家初度惣処分状(九条家文書)によって九条家領幡多庄は道家から三子実経(一条家の祖)に譲られるが、同処分状に幡多庄の一村として「以南村」が現れる。以南村には金剛福寺領が散在していたため、同寺文書に「以南村内伊布利名壱丁」(弘安四年五月日前摂政鷹司兼平家政所下文案)、「以南村三崎村伍段」(正応二年五月日前摂政一条実経家政所下文)、「以南村伊布里御仏供田四丁十代(下略)」「同村内三崎新免六段」(建武二年四月七日権少僧都心慶下知状)などと散見、正安二年(一三〇〇)には金剛福寺供養奉加官米六石が以南村に課されている(同年一一月日左大将一条内実家政所下文)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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