付金（読み）ツケガネ

デジタル大辞泉

つけ‐がね【付（け）金】

１ 装飾のためにつける金具。
２ 祝い事などのときに、あいさつ代わりに贈る金銭。
「相応の―して子のなき方へ養子に遣はし」〈浮・織留・六〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

つけ‐がね【付金】

〘名〙

① 飾りとしてつける金属。付属としての金具。

※虎寛本狂言・鐘の音（室町末‐近世初）「迚の事にこがねの熨斗附(のしつけ)にしてささせうとおもふ程に、汝は大儀ながら今から鎌倉へいて、附(ツケ)がねのねを聞てこい」

② 結婚や養子縁組などの際に、親が子に金銭を添えてやること。また、その金銭。

※浮世草子・西鶴織留（1694）六「渡世しかねざる人は、相応の付銀して子のなき方へ養子につかはし」

③ 付け届けとして贈る金銭。お祝いや挨拶がわりとして渡す金銭。特に、遊女が茶屋へ送る金銭をさすことが多い。

※洒落本・禁現大福帳（1755）二「有縁の客共乏しき時は付金(ツケガネ)衣類小間物売」

出典　精選版 日本国語大辞典