付差(読み)つけざ

精選版 日本国語大辞典 「付差」の意味・読み・例文・類語

つけ‐ざ【付差】

〘名〙 「つけざし(付差)」の略。
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「おもひはいろに出がはり時分 一はいの付さも霞む小宿にて〈意楽〉」
浄瑠璃・浦島年代記(1722)一「人がつけざをのぞまば、ちょっとすすってのますがよし」

つけ‐ざし【付差】

〘名〙 自分が口を付けたものを相手に差し出すこと。吸いさしのきせるや飲みさしの杯を、そのまま相手に与えること。また、そのもの。親愛気持を表わすものとされ、特に、遊里などで遊女が情の深さを示すしぐさとされた。つけざ。
※天理本狂言・花子(室町末‐近世初)「わたくしにくだされい、たべうと申た、これはつけざしがのみたさに申た」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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