仕立上(読み)したてあげる

精選版 日本国語大辞典 「仕立上」の意味・読み・例文・類語

したて‐あ・げる【仕立上】

〘他ガ下一〙 したてあ・ぐ 〘他ガ下二〙
① 整った形のものにする。つくり上げる。
※思ひ出す事など(1910‐11)〈夏目漱石〉五「之を句なり詩なりに仕立上(シタテアゲ)る順序過程が又嬉しい」
② 人を教育して、意図的にある性格職業人間にする。育て上げる。
※平洲先生諸民江教諭書取(1783)「よい者に仕立揚たいと」
大道無門(1926)〈里見弴反射「一切の業務を、工藤といって、小僧から仕立(シタテ)あげられた今の総支配人に任せ」
事実ではないことを実際あったことのようにつくりあげる。でっちあげる。
星座(1922)〈有島武郎〉「その女の生徒谷底で死んだといふゑらあい男を、自分の心の中で情人に仕立てあげてしまって」

したて‐あがり【仕立上】

〘名〙 衣服を整った形のものにつくり上げること。仕立ててできあがったばかりであること。また、そのもの。
守銭奴の肚(1887)〈嵯峨之屋御室〉五「記さざれば衣服に褄なきが如く仕立上(シタテアガ)りの物とは言(いは)れじ」
唐人お吉(1928)〈十一谷義三郎〉四「仕立てあがりを着て見、締めて見、すらりと立ち、お澄ましをして見せ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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