仏山寺(読み)ぶつさんじ

日本歴史地名大系 「仏山寺」の解説

仏山寺
ぶつさんじ

[現在地名]湯布院町川上 岳本

金鱗きんりん湖の南方、旧府内・日田往還沿いにある。竜峨山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。「豊後国志」や「豊陽古事談」に載る寺伝などによると、平安時代の中期、播磨国書写山円教えんきよう(現兵庫県姫路市)を創建したという性空を開山とする。性空は日向霧島きりしま霊場を開き、さらに由布ゆふ鶴見つるみ両山を中心に六観音の霊場を開いたと伝え、自ら観音の石像を刻み、由布岳中腹に安置し衆生功徳の修因としたという。しかし性空の刻んだという観音菩薩像は、文禄五年(一五九六)七月の大地震での山崩れの折被害を受け、傷ついた姿で津江つえに移された。その後延宝二年(一六七四)当寺が天台宗から臨済宗(府内萬寿寺末)に改宗した際(萬寿寺二世をもって開基とする)秘仏としてこの像が安置され、三三年に一回開帳の行事が行われるようになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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