仄か・側か(読み)ほのか

精選版 日本国語大辞典 「仄か・側か」の意味・読み・例文・類語

ほの‐か【仄か・側か】

〘形動〙 (「か」は接尾語)
① わずかにそれとわかるさま。分明でないさま。
(イ) 物の形、音などが、わずかに見えたり、聞こえたりするさま。
万葉(8C後)七・一一五二「梶の音そ髣髴(ほのかに)すなるあまをとめ沖つ藻刈りに舟出すらしも」
(ロ) 光、色などが、はっきりしない程度で、わずかに見えるさま。ほんのり。うっすら。
多武峰少将物語(10C中)「ようさりつかた、月のほのかなるに、立寄り給へり」
(ハ) 心、意識がぼんやりしているさま。かすかに認識するさま。
※大智度論平安初期点(850頃か)一六「酔悶し怳惚(ホノカニ)して所別无き故に」
② 程度が、はっきりしないくらいにわずかなさま。いささか。ちょっと。しばし。
源氏(1001‐14頃)夕顔「ほのかにも軒端の荻を結ばずは露のかごとを何にかけまし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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