人間の壁(読み)ニンゲンノカベ

デジタル大辞泉 「人間の壁」の意味・読み・例文・類語

にんげんのかべ【人間の壁】

石川達三長編小説。昭和32年(1957)に佐賀県で起こった佐賀県教職員組合によるストライキ「佐教組事件」を題材とする。昭和32年(1957)から昭和34年(1959)にかけて連載。昭和34年(1959)山本薩夫監督により映画化

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「人間の壁」の意味・わかりやすい解説

人間の壁
にんげんのかべ

石川達三の長編小説。1957年(昭和32)8月23日から59年4月12日にわたり『朝日新聞』連載。58~59年新潮社刊、全三冊。まじめな小学校教師尾崎ふみ子が、夫に背かれ、教師の職をも追われそうになって、しだいに教員組合運動に目覚め、積極的な働き手となってゆく姿を粘り強く追い、その過程を通じ1954年前後の教育二法案成立と、それに対する現場教師たちの闘いを多角的に描いた雄編。教師聖職者観を否定し、教師も労働者にほかならぬという考えを最後的に打ち出している。「調べた芸術」の方法をフルに使い、教育問題をテーマにした作品としても戦後最大の小説。

久保田正文

『『人間の壁』全三冊(新潮文庫)』

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デジタル大辞泉プラス 「人間の壁」の解説

人間の壁

1959年公開の日本映画。監督:山本薩夫、原作:石川達三、脚色八木保太郎、撮影:前田実、音楽林光出演香川京子宇野重吉高橋昌也、宇津井健、高橋とよ、大町文夫、三ツ矢歌子ほか。第14回毎日映画コンクール監督賞、音楽賞、男優助演賞(宇野重吉)受賞

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