五郎神社(読み)ごろうじんじや

日本歴史地名大系 「五郎神社」の解説

五郎神社
ごろうじんじや

[現在地名]熊本市横手三丁目

吉祥きつしよう寺の西裏の崖の上にあり、加藤清正の時代に生きたとされる大力の横手五郎にまつわる神社。明治以前は吉祥寺境内にあった毘沙門堂。明治期に毘沙門堂所蔵の仏像売却問題が起こり、地元民が吉祥寺から切離して十二社(二宮神社)境内に移築して仏像を収め、横手よこて大明神と称した。昭和五一年(一九七六)火災に遭い、本尊の毘沙門と両脇侍は見る影もなくなった。現在は仮堂が作られ、焼けただれた本尊・脇侍に添木をそえて安置しているが、炭化状態のため製作年代などを調査しえない。毘沙門堂について「国誌」は「吉祥寺ニアリ、里俗ノ説ニ天正文禄慶長ノ間、当村横手ニ五郎ト云ル大力アリ、力ヲ七十五人ニ宛ル、熊本城築ノ日夫役ニ出、石垣ノ角石一人ニテ居ヘタリト云(中略)此木像文禄慶長ノ比ノ作ニ非ス、太タ古ク見ユ、昔日ヨリ此辺ニ安置セシヲ五郎カ信仰シテ力量ヲ祈リタルナリト云」と記し、毘沙門像は文禄―慶長期(一五九二―一六一五)以前のもので、横手五郎が力をつけるため毎日祈ったと推定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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