五百井神社(読み)いおのいじんじや

日本歴史地名大系 「五百井神社」の解説

五百井神社
いおのいじんじや

[現在地名]栗東町下戸山

安養寺あんようじ山の南西麓、金勝こんぜ川に面して鎮座祭神木俣きのまた(御井神)。旧村社。後背の安養寺山頂には奥宮(山王社)竜神を祀る祠(竜王社)がある。奥宮は五百井神が降臨した聖地とされる。本殿横に境内社の八幡社がある。「延喜式」神名帳の栗太くりた郡「蘆井イホノイノ神社」に比定される。社伝では仁寿元年(八五一)一月神階正六位上を授与されたという。「夫木抄」に「近江なるいほの井川の水すみて千歳のかずのみえ渡るかな」とみえ、社前の金勝川はいほの井川と称され、重要な用水井があったと推定され、当社は井堰の守護神として奉祀されたと考えられる。社号は中世末には五百井の表記が用いられている。社蔵の大永四年(一五二四)四月の年紀のある本殿棟札に「五百井殿上葺勧進人数事」とあり、青地美作守貞国とともに「下砥山地下衆」三〇人が費用を出している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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