二間(読み)フタマ

デジタル大辞泉 「二間」の意味・読み・例文・類語

ふた‐ま【二間】

二つの部屋。ふたへや。「二間しかないアパート
南北柱間が二間であるところから》清涼殿夜の御殿おとどの東隣りにある部屋の名。天皇守護の祈祷きとうをする僧が伺候して修法などが行われた。
殿舎などで、柱と柱との間が二つあること。また、その部屋。
「―のきはなる障子」〈末摘花

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「二間」の意味・読み・例文・類語

ふた‐ま【二間】

〘名〙
① 殿舎などで、柱と柱との間が二つあること。また、柱間(はしらま)が二つある部屋。
蜻蛉(974頃)上「宮の御桟敷の、ひとつづきにて、ふたまありけるをわけて」
源氏(1001‐14頃)野分「御格子、またふたまばかりあげて」
② (その南北の柱間が二間あるところから) 清涼殿の東廂弘徽殿の上の御局の南にある部屋。その西には夜御殿(よるのおとど)があり、天皇が東枕に寝るため、この間は常にあけてあり、時に夜居(よい)の僧が伺候して修法などが行なわれた。
※栄花(1028‐92頃)歌合中宮、一品宮は、二間(フタマ)にて御覧ず」
③ 二つの室。ふたへや。
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉一「二階は二室(フタマ)だけで」
④ 二つのもののあいだ。
※元真集(966頃か)「みやまぎのふたまわけても白露のおかじをにしのまつも見つらん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報