二荒山神社(栃木県日光市)(読み)ふたらさんじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

二荒山神社(栃木県日光市)
ふたらさんじんじゃ

栃木県日光市山内に鎮座、また中宮祠(ちゅうぐうし)は中禅寺(ちゅうぜんじ)湖畔に、奥宮は男体(なんたい)山山頂にそれぞれ鎮座する。大己貴命(おおなむちのみこと)、田心姫(たごりひめ)命、味耜高彦根(あじすきたかひこね)命を祀(まつ)る。古く二荒山(男体山)を神体山として奉斎したことに源を発し、767年(神護景雲1)勝道上人が二荒山麓(ろく)に三神を祀ったのを創祀(そうし)とする。1617年(元和3)、隣地に東照宮が創建されるに及び、地主神として厚遇された。明治の制では国幣中社に列せられる。例祭は4月13~17日で弥生祭(やよいまつり)と称し、15町内の屋台が引き回され囃子(はやし)の奉納でにぎわう。また、中宮祠を中心に行われる祭りに1月4日の武射祭(むしゃさい)、8月1~7日の奥宮登拝(おくみやとはい)大祭がある。また、恒例祭典には社伝の八乙女神楽(やおとめかぐら)が奏される。本殿拝殿や大谷(だいや)川に架けられた神橋など多数の建造物が国の重要文化財の指定を受け、社宝には備前長船(びぜんおさふね)倫光、来国俊(らいくにとし)(いずれも国宝)などの太刀(たち)ほかがある。

[茂木貞純]


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