二ッ井戸跡(読み)ふたついどあと

日本歴史地名大系 「二ッ井戸跡」の解説

二ッ井戸跡
ふたついどあと

[現在地名]南区道頓堀一丁目

東横堀ひがしよこぼり川の堀詰、近世高津五右衛門こうづごえもん町の一角にあった名高い井戸。井戸が二つ並んでいるところから二ッ井戸とよばれた。寛永一一年(一六三四)将軍徳川家光が大坂三郷の地子を免除したとき、三郷町人はその恩を永世忘れないために時鐘を鋳造したが、その鋳造の場所について「今の堀詰二ツ井戸辺ハ野原の川端にて運送宜と、此所ニて鋳立」てたと伝える(大坂三郷町中御取立承伝記)。二つ並べて井戸を掘った理由は不明だが、「浪花文庫」は当地が南瓦屋みなみかわらや町に隣接していることに注目し、井戸を掘る場合御用瓦師寺島藤右衛門の免を受ける必要があるので、再度許可をとる手間を省くため「井戸にとぼしき土地なるゆへ、此処に双井戸を掘しにや」と推測する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android