中小企業新事業活動促進法(読み)チュウショウキギョウシンジギョウカツドウソクシンホウ

デジタル大辞泉 の解説

ちゅうしょうきぎょうしんじぎょうかつどうそくしん‐ほう〔チユウセウキゲフシンジゲフクワツドウソクシンハフ〕【中小企業新事業活動促進法】

《「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」の略称中小企業創業・経営革新・異分野連携の促進・支援について定めた法律。平成11年(1999)に中小企業経営革新支援法として成立。平成17年(2005)に新事業創出促進法・中小創造法(正式名称「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」)と統合して現名称に変更中促法

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

中小企業新事業活動促進法
ちゅうしょうきぎょうしんじぎょうかつどうそくしんほう

中小企業への創業・新規事業の支援等について規定する法律。正式名称は「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」。平成11年法律第18号。

 1999年(平成11)、中小企業の構造改善を推進し近代化を図ることを目的として制定された中小企業近代化促進法(昭和38年法律第64号)の廃止と同時に、中小企業の経営革新(新たな事業活動の展開全体を支援対象とする中小企業経営革新支援法(平成11年法律第18号)が制定された。中小企業について規定する法律としては、同法以外に、1995年に中小企業者およびこれから創業をする個人が行う研究開発計画等に支援を行うことを目的として制定された中小企業創造活動促進法(平成7年法律第47号。正式名称は「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」)や、1998年に中小企業や創業を行う個人に支援を行うことを目的として制定された新事業創出促進法(平成10年法律第152号)が存在していた。しかし、事業活動への支援、創業への支援を行うといっても、3法の違いが判然としなかった。そこで、2005年(平成17)に3法の統合を行い、中小企業経営革新支援法を改正・改題した本法(平成17年法律第30号)が制定された。

 中小企業新事業活動促進法では、旧法時代の支援策を、「創業の支援」「経営革新の支援」「新たな事業活動のための基盤整備」に整理統合した。さらに、分野の異なる事業が連携して、1社ではなしえなかった製品を開発する「異分野連携新事業分野開拓」を新たな目玉施策として採用した。

[武田典浩]

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知恵蔵 の解説

中小企業新事業活動促進法

2005年4月、経済産業省中小企業庁のベンチャー支援の柱であった「新事業促進法」「中小企業創造活動促進法(創造法)」「中小企業経営革新支援法」の3法をまとめた法律。この3法の中で「中小企業創造活動促進法」は、中小企業の創造的事業活動(創業や研究開発・事業化を通じて、新製品・新サービス等を生み出そうとする取り組み)を支援する枠組み。中小企業者やこれから創業を目指す者、事業協同組合等は、研究開発等事業計画を作成し、創造法に基づく都道府県知事の認定を受けると、投資育成会社の優遇措置や、設備投資減税、技術改善補助金、政府系金融機関等の低利融資や債務保証など、幅広い支援措置を受けることができる。

(竹内文則 富士常葉大学教授 / 森岡英樹 金融ジャーナリスト パラゲイト・コンサルタンツシニア・リサーチ・アソシエイツ / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 の解説

中小企業新事業活動促進法

中小企業を金銭や人材面で支援する、国による公的支援策のひとつ。主な支援内容として、補助金、低金利融資、減税がある。しかし、国が承認した優良中小企業のみを対象としたものであるという縛りがある。国から優良中小企業として認定されるには、申請書とビジネスプランを作成し、国に提出し、さらに書類をもとに優良なビジネスを行なっている企業であると承認される必要がある。そのため現在、日本に600万社ほどある中小企業のうち、承認を受けている企業はわずか0.2%程度である。

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