不問語(読み)とわずがたり

精選版 日本国語大辞典 「不問語」の意味・読み・例文・類語

とわず‐がたり とはず‥【不問語】

[1] 〘名〙 他人から事情をきかれたりしないのに、自分から話し出すこと。また、相手なしに一人でものをいうこと。ひとりごと。とわずがたらい。とわずものがたり。
蜻蛉(974頃)中「これもあやしきとはすかたりにこそなりにけれ」
[2] (とはずがたり) 鎌倉時代の日記。五巻。後深草院の二条(中院大納言源雅忠の女)作。前三巻は後深草院御所を中心に、文永八年(一二七一)一四歳で院の寵愛を受けて以来のさまざまの愛欲遍歴とその感想を、後二巻は出家後、西行の跡を慕い、諸国行脚によって懺悔修行の生活を送る次第とその心境、後深草院三回忌の感慨などをしるす。愛欲生活と、それを超克してゆく魂の遍歴を直叙している。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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