み‐わ【三輪・三勾】
[1] 〘名〙 三つの輪。三重の輪。
※古事記(712)中「故、其の麻
(を)の三勾
(みわ)遺りしに因りて、其地
(そこ)を名づけて
美和と謂ふ」
[一] 奈良県桜井市の地名。東部に三輪山がそびえる。上街道の
宿場町・
市場町、
大神(おおみわ)神社の
門前町として発達。三輪索麺
(そうめん)の特産がある。
[二]
謡曲。四番目物。各流。作者未詳。「
無名抄」などによる。大和の三輪に山居する
玄賓(げんぴん)僧都の
いおりに、毎日樒
(しきみ)と
閼伽(あか)の水を持ってくる女がいたが、ある日僧都に寒いので衣を
一重(ひとえ)いただきたいという。衣を与えて住家を尋ねると、二本の杉のほとりを訪ねるようにいって姿を消す。僧都が神杉のもとへ行ってみると、杉の下枝に衣がかけられ神詠がしるされている。やがて三輪の神が女姿で現われ、三輪の妻問いの神話を語り、天の
岩戸の神楽の
有様を舞う。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報