三笠山・御蓋山(読み)みかさやま

精選版 日本国語大辞典 「三笠山・御蓋山」の意味・読み・例文・類語

みかさ‐やま【三笠山・御蓋山】

[1] 奈良市東部の山。奈良公園の背後にあり、ふもとに春日大社や春日若宮がある。東側の花山・芳山(はやま)とともに春日山と総称され、原生林におおわれる。標高二九三メートル。歌枕。みかさのやま。御笠山。
万葉(8C後)二・二三二「御笠山(みかさやま)野辺行く道はこきだくも繁り荒れたるか久にあらなくに」
[2] 〘名〙
① (天皇の御かさとなってそば近くで警衛にあたる意をかけて) 近衛(このえ)大将中将少将などの称。和歌に多く用いる。みかさのやま。
※栄花(1028‐92頃)駒競行幸「大后の宮、天の下にみかさやまと戴かれ給ひ〈略〉行末頼しき事」
② どら焼の一種。元来は、東京の梅花亭の創製で、ひき茶を入れた餡(あん)をはさんだものをいった。皮のふくらみが(一)のなだらかな稜線に似ているところからこの名が生じた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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