三泣車(読み)さんなきぐるま

精選版 日本国語大辞典 「三泣車」の意味・読み・例文・類語

さんなき‐ぐるま【三泣車】

〘名〙 (丁稚(でっち)は車をひかされて泣き、仲仕(なかし)は職を奪われて泣き、車は回転するときにきしって泣くというところからいう) 荷車一種で、車輪が小さく、梶(かじ)棒が長く、車台後方に鉄のわくをつけたもの。商家の丁稚などが荷物を運ぶのに用いる。
※売花翁(1893)〈斎藤緑雨〉「我れも泣き妻も泣き草葉の蔭に親々も泣く三泣車(サンナキグルマ)の栓がぬけては何う進退のなるものでなく」

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