三正(読み)サンセイ

デジタル大辞泉 「三正」の意味・読み・例文・類語

さん‐せい【三正】

《「書経」甘誓から》天・地・人の、三つの正しい道。
《「礼記」哀公問から》君臣の義、父子の親、夫婦の別の三つが正しく守られていること。
中国古代の暦の上での3種の正月で、子・丑・寅をいう。では建寅の月(のちの陰暦の正月)、いんでは建丑の月(陰暦12月)、では建子の月(陰暦11月)を正月とした。

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精選版 日本国語大辞典 「三正」の意味・読み・例文・類語

さん‐せい【三正】

〘名〙
① (「書経‐甘誓」の「有扈氏威侮五行、怠棄三正〈伝〉怠惰棄天地人正道」による) 天・地・人の正道。
② (「礼記‐哀公問」の「夫婦別、父子親、君臣厳、三者正、則庶物従之矣」による) 君臣の義、父子の親(しん)、夫婦の別の、三綱(さんこう)の道の正しいこと。
③ 中国古代、夏・殷・周の三代の暦でのそれぞれの正月のたて方。夏の時代には北斗七星の柄が寅(とら)方角に向いている月を、殷の時代には柄が丑(うし)の方角に向いている月を、周の時代には柄が子(ね)の方角に向いている月を正月とした。一説に、歳星(木星)がそれぞれの方角にある月を正月とする説もある。また、子・丑・寅の称。〔制度通(1724)〕 〔春秋繁露‐三代改制質文〕

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普及版 字通 「三正」の読み・字形・画数・意味

【三正】さんせい

夏(建寅)・殷(建丑)・周(建子)の暦。〔魏書儒林、李業興伝〕(尤も算歴に長ず。曰く)三正同じからずと雖も、時を言ふは、皆夏時の正に據る。

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