三春(町)(読み)みはる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三春(町)」の意味・わかりやすい解説

三春(町)
みはる

福島県中東部、田村郡の町。阿武隈(あぶくま)高地中央部の西縁に位置する。1889年(明治22)町制施行。1955年(昭和30)御木沢(おぎさわ)、沢石(さわいし)、中郷(なかさと)、要田(かなめた)、中妻(なかつま)の5村と合併。同年岩江村の一部を編入。JR磐越(ばんえつ)東線と磐越自動車道、国道288号が通じる。標高250~500メートルの丘陵地にあり、平坦(へいたん)地はほとんどない。南部を阿武隈川の支流大滝根川が西流。田村郡の行政、文化の中心地。1504年(永正1)田村氏が三春城を築き、江戸時代には三春藩城下町であった。養蚕と葉タバコ栽培などが行われ、かつては、たばこ製造所もあった。その後、養蚕は衰退し、桑園から果樹園への転換が進められている。また日本化学工業の工場なども立地し、工業団地が造成されている。伝統工芸に三春張子三春駒(ごま)の製造がある。樹齢1000年以上(推定)といわれる「三春滝ザクラ」は国指定天然記念物。中山家住宅は江戸時代中期の農家建築で国指定重要文化財。面積72.76平方キロメートル、人口1万7018(2020)。

[渡辺四郎]

『『三春町史』全11巻(1975~1986・三春町)』『川又恒一他編『三春町の歴史と文化財』(1978・三春町)』


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