三所郷(読み)みところごう

日本歴史地名大系 「三所郷」の解説

三所郷
みところごう

出雲国風土記」「和名抄」に記載される仁多郡三処みところ郷の郷名を継承する中世の郷で、鎌倉末期以降は三所郷と記される。現上三所・三所・高田たかた郡村こおりむら亀嵩かめだけと現能義のぎ広瀬ひろせ西比田にしひだ辺りに比定される。文永九年(一二七二)と推定される石清水八幡宮雑掌祐範申状(蓬左文庫蔵「斉民要術」紙背文書)によると、山城石清水いわしみず八幡宮領横田よこた(現横田町)を当郷地頭三処左衛門尉長綱が懇請して地頭請所としており、承久の乱後の動揺期に横田庄に進出したものであろう(横田町の→横田庄

建長元年(一二四九)六月日の杵築大社造営所注進状(北島家文書)に遷宮儀式の流鏑馬一五番のうち第一〇番に「三処郷、合阿井郷、石坂郷」とみえ、文永八年一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳の第一二番の舞には「三処郷九丁五反三百歩三処左衛門後家」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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