さんずん【三寸】 の=舌(した)[=舌端(ぜったん)]
(たいした長さではない舌の意から) 口さき。
弁舌。
※
菅家文草(900頃)二・有所思「三寸舌端駟不
レ及、不
レ患
二顔疵
一患
二名疵
一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
三寸の舌
たくみな弁舌のたとえ。
[使用例] 猫と生れた因果で寒月、迷亭、苦沙弥諸先生と三寸の舌頭に相互の思想を交換する技倆はないが、猫だけに忍びの術は諸先生より達者である[夏目漱石*吾輩は猫である|1905~06]
[由来] 「[史記]―淮陰侯伝」に見える話から。紀元前三世紀の終わりごろ、漢の劉邦と楚の項羽とが覇権を懸けて争っていた時代。劉邦の部下、酈食其は、弁舌たくみに斉という国をまるごと味方に引き入れてしまいました。そのことを、ある人物は「三寸の舌を掉いて斉の七十余城を下す(一〇センチにも足りない舌を勢いよく動かしただけで、斉の国の七〇余りもの町を降参させた)」と評したということです。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報