三多気村(読み)みたけむら

日本歴史地名大系 「三多気村」の解説

三多気村
みたけむら

[現在地名]美杉村三多気

伊勢地いせじ川最上流の大洞おおぼら(九八五メートル)南麓斜面にあり、南は杉平すぎひら村と接する。最北高所に御嶽山金峯山寺真福しんぷく(真言宗醍醐派)があって、山麓から真福院への参道両側に村落が形成される。古くは太郎生たろお村枝郷であったというが、文禄検地帳を転記したと思われる伊勢国中御検地高帳にはすでに御嶽之みたけの郷とみえる。戦国時代末の北畠国永の家集「年代和歌抄」の天正一二年(一五八四)の春に「此国密嶽といふ所の花見侍らで、今年ことしと過ぎ侍るが(中略)当国御嶽は去年より息男の知行所と成りぬれば、弥渇仰の泪肝に銘じ侍る」とみえて、三多気の桜と知られる花の名所もすでに戦国時代には著名であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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