三ヶ日町(読み)みつかびちよう

日本歴史地名大系 「三ヶ日町」の解説

三ヶ日町
みつかびちよう

面積:七五・六五平方キロ(境界未定)

引佐郡の西部、浜名湖北岸に位置する。南は浜名湖・猪鼻いのはな湖および湖西市、西は愛知県豊橋市、北は同県の新城しんしろ市と南設楽みなみしたら鳳来ほうらい町、東は引佐町細江ほそえ町に接する。北部は赤石山脈から延びる弓張ゆみはり山脈を背にし、猪鼻湖を囲み込むように臨む地形は景勝の地として知られる。町域には約七〇ヵ所の遺跡がある。石灰岩採石場跡の只木ただき遺跡は化石人骨三ヶ日人の出土地として名高いが、旧石器は出土していない。縄文時代の北平きたびら遺跡から細石核が採集されているにすぎない。殿畑とのはた遺跡では前期弥生土器が出土し、当地域への稲作文化伝来時の遺跡として知られる。荒神山こうじんやま山田やまだ猪久保いのしくぼの三ヵ所からは計四口の銅鐸が発見されている。古墳は中期の例はなく、横穴式石室を備えた後期群集墳として福長ふくなが乾山いぬいやまつり日比沢ひびさわ大里おおざと上尾奈かみおななどの古墳群がある。なかでも日比沢古墳群はかつて約五〇基を数えたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報