万日（読み）まんにち

精選版 日本国語大辞典

まん‐にち【万日】

〘名〙

① 万の日数、また、多くの日数。

② ＝まんにちえこう（万日回向）

※俳諧・談林十百韻（1675）上「つき鐘に夢を残して代番〈一鉄〉 あかぬ別に申万日〈志計〉」

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

万日
まんにち

越後(えちご)（新潟県）地方にいた口寄巫女(くちよせみこ)をいう。秋山朋信撰(せん)の『越後国長岡領風俗問状答書』によると、万日という者がおり、年長(た)けた寡婦などが両部(りょうぶ)神道の神職や山伏についてその道を習い、湯立(ゆだて)、笹(ささ)はたきなどを行って、年の豊凶患難などの神託を語ったとある。東北の盛岡近傍にも万日という者があり、「万日の取子(とりこ)」といって子供を名義上万日の子供にしてもらうとじょうぶに育つという俗信がある。万日という名称は彼女らが万日念仏の法会に関与したためといわれている。

［大藤時彦］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)