一名・市名・城名・都名(読み)いちな

精選版 日本国語大辞典 「一名・市名・城名・都名」の意味・読み・例文・類語

いち‐な【一名・市名・城名・都名】

〘名〙 琵琶法師の付ける名字。城一検校(けんぎょう)後宇多天皇から城の字を賜わったのが最初で、その門弟八坂方一方(いちかた)とに分かれ、八坂方では、城の字を上に付け、一方では下に付けたが、後に城の字を都の字に代え、更に市の字、一の字を用いて「いち」とよむようになった。のちに座頭に用いられ、何市と下に市の字を付ける習慣を生じた。
歌舞伎蔦紅葉宇都谷峠(文彌殺し)(1856)二幕「市名も取らぬ分際四分(しぶん)の者に突きあたり」

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