日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ワイルダー(Laura Ingalls Wilder)
わいるだー
Laura Ingalls Wilder
(1867―1957)
アメリカの女流児童文学作家。ウィスコンシン州奥地の丸太小屋で開拓農民の子として生まれる。教師を経て、結婚後はミズーリで農業を営んだ。ミネソタ、アイオワ、ミズーリ、カンザスなどに移り住み、おもにこの移住の経験がもとになって作品が生まれた。65歳で著述を始め、『大きな森の小さな家』(1932)、『大草原の小さな家』(1935)、『プラム川の岸辺にて』(1937)、『長い冬』(1940)などを著す。いずれも、未開の大自然と、それに立ち向かう開拓農民の生活の哀歓を、着実な手法で、実感を込めて描き、アメリカ開拓時代のエネルギーが感じ取れる。なお、『大草原の小さな家』はテレビのシリーズ番組となり、日本でも放映されて人気をよんだ。
[八木田宜子]
『恩地三保子訳『大きな森の小さな家』(1972・福音館書店)』