ロシュフォール(Christiane Rochefort)(読み)ろしゅふぉーる(英語表記)Christiane Rochefort

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ロシュフォール(Christiane Rochefort)
ろしゅふぉーる
Christiane Rochefort
(1917―1998)

フランスの女流小説家。パリの生まれ。幼時から芸術に目を開く一方、不規則な学校生活を過ごし、ジャーナリズムなどの経験ののち、『戦士休息Le Repos du guerrier(1958)で華々しくデビュー。中年のアル中男と女子学生の性関係を描いて大衆的成功を収めたが(1962年にロジェ・バディムRoger Vadim(1928―2000)が映画化)、女性の立場で正面から性を扱って、社会の体制に批判を投げた点できわめて社会的問題作といえる。その後も社会の矛盾と改革への思いをしばしば子供を通して描き、写実的風俗描写の『当世の子ら』(1961)、『ソフィへのスタンス』(1963)、1968年五月革命の理想を要約するといってもよい『駐車場の春』Printemps au parking(1969)や『追いつめられた子どもたち』(1976)、『きみが女たちのところに行くとき』(1982)などがある。ほかに評論『まず子供たちが』(1976)、反自伝的自伝『わが人生、著者による校閲改訂版』(1978)などがある。

小林 茂]

『西川祐子訳『追いつめられた子どもたち』(1978・人文書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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