日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロイド(Harold Lloyd)
ろいど
Harold Lloyd
(1893―1971)
アメリカの映画俳優。ネブラスカ州バーチャード生まれ。エキストラをしていた1914年、後の名プロデューサー、ハル・ローチと知り合い喜劇役者となる。16年、ボストン型のいわゆるロイド眼鏡にカンカン帽、フランネルのスーツを着たキャラクターを創造し、現実離れした扮装(ふんそう)をしたそれまでの喜劇役者と逆に、どこにでもいるアメリカ青年のイメージを押し出した。『要心無用』(1923)、『猛進ロイド』(1924)、『ロイドの人気者』(1925)など、気弱だがまじめで義侠心(ぎきょうしん)のある青年が危険な状況にたたされ、なんとか切り抜けるという役柄を演じて人気を得た。ギャグよりもむしろキャラクターの普遍性でアメリカ喜劇映画に大きな影響を与え、チャップリン、バスター・キートン、ハリー・ラングドンとともに四大喜劇王の1人と数えられた。
[出口丈人]