日本大百科全書(ニッポニカ) 「レオ(3世)」の意味・わかりやすい解説
レオ(3世)
れお
Leo Ⅲ
(?―816)
ローマ教皇(在位795~816)、聖人。出生や初期の経歴は不詳。若いときからローマの教会で働き、795年に教皇の座についた。799年4月、ローマ市内で反対派の者たちに襲撃され、フランク王カール(後の大帝、シャルルマーニュ)の下に逃れた。翌800年、問題解決のためローマにきたカールに対して、レオ3世は、聖ペトロ大聖堂においてローマ皇帝の冠を加えた(800年12月25日)。これによりレオ3世は、教皇権のビザンティン帝権に対する伝統的な従属関係に終止符を打ち、西欧帝権の伝統を創始した。しかし、「聖霊発出(フィリオクエ)問題」に象徴されるように、カール大帝の教会問題への介入に対して教皇権の自立を守るために苦しい闘いを強いられた。
[出崎澄男 2017年12月12日]
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