リベイロ(Aquilino Ribeiro)(読み)りべいろ(英語表記)Aquilino Ribeiro

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

リベイロ(Aquilino Ribeiro)
りべいろ
Aquilino Ribeiro
(1885―1963)

ポルトガルの散文作家。アルタ・ベイラ地方のカレガル・ダ・タボーザの出身。熱烈な共和主義者として革命運動や反政府運動に参加して二度もパリに亡命した。1932年に帰国してからは文学作品の推敲(すいこう)に専念し、また政治活動も続けた。短編作家としても優れ、パリ亡命中に書いた処女作『嵐(あらし)の庭』(1913)と『サンティアゴの道』(1922)の短編集はともに高く評価された。長編小説には『悪魔の地』(1919)、『モニカ』(1939)、『ボルフラーミオ』(1944)、代表作といわれる『ロマリガンイスの大邸宅』(1957)、『狼(おおかみ)が吼(ほ)えるとき』(1958)などがある。なお評論に『カモンイス、カミーロ、エッサその他』(1949)がある。その用語は、ときには田舎(いなか)的であり、ときには詩的であり、あるいは激しく、あるいは穏やかで、しばしば論争的なテーマに役だっている。20世紀におけるポルトガル散文の巨匠

[濱口乃二雄]

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