ラレンティア(英語表記)Larentia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラレンティア」の意味・わかりやすい解説

ラレンティア
Larentia

古代ローマの女神。その前身については2説あり,一伝によれば,羊飼いファウストゥルスの妻で,夫が拾ってきたロムルスとレムスを,自身の 12人の子と一緒に育てたという。別伝によれば,名高い娼婦であったが,ヘラクレス一夜を過したところが,満足したヘラクレスは彼女に,神殿を出て最初に会う男のあとをどこまでもついていくようすすめた。この言に従ったところ,ラレンティアは老富豪タルティウスの妻となり,やがて彼が死ぬとその遺産を相続してすこぶる富裕になった。彼女は死ぬとき,財産をすべてローマの民衆に遺贈し,感謝した民衆に以後女神として祀られることになったという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android