日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤコブ(イエスの兄弟)」の意味・わかりやすい解説
ヤコブ(イエスの兄弟)
やこぶ
Iakobos ギリシア語
イエスの弟子である大ヤコブと区別され、通常小ヤコブとよばれる。『新約聖書』によれば、彼はイエスの兄弟であり(「マタイ伝福音(ふくいん)書」13章55節)、のちに「主の兄弟」とよばれた(「ガラテヤ書」1章19節)。彼は、母や他の兄弟たちと同様、イエスが神的霊力を有することを疑っていたが(「マルコ伝福音書」3章21、31、32節)、復活のイエスに会ってからイエスを主と仰ぐようになった(「使徒行伝(ぎょうでん)」1章14節、「コリント書―第一の手紙」9章5節、15章7節)。1世紀のユダヤの歴史家ヨセフスによれば、彼は紀元62年のユダヤ人暴動の際に殉教した。
[定形日佐雄]