ヤグラゴケ（読み）やぐらごけ

日本大百科全書(ニッポニカ)

ヤグラゴケ
やぐらごけ
[学] Cladonia krempelhuberi Vain. var. subevoluta (Asah.) Asah.

地衣類ハナゴケ科の一種で、低地から山地の地上に生える。高さ3～8センチメートルとなり、直立した子器柄の先につく盃(はい)状の子器の中からふたたび直立した子器柄が1、2本出る。これを繰り返し、いわゆる櫓(やぐら)状の地衣となる。本州から九州にかけて分布するほか、朝鮮半島にもみられる。ヤグラゴケによく似た種にヒメヤグラゴケC. calycanthaがあるが、この種は盃状の子器の縁(へり)が水平に開き、著しく歯状に切れ込む。

［井上　浩］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)