モルデン沸石(読み)もるでんふっせき(英語表記)mordenite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルデン沸石」の意味・わかりやすい解説

モルデン沸石
もるでんふっせき
mordenite

普通に産出する沸石の一つ。毛状ないし針状結晶あるいは陶器のような緻密(ちみつ)な塊をなす。安山岩デイサイト流紋岩などのケイ酸分に比較的富む火山岩の空隙(くうげき)を満たして、石英、束(そく)沸石、輝沸石、ダキアルディ沸石などを伴って産する。また、火山ガラスを多量に含む凝灰(ぎょうかい)質堆積(たいせき)岩が続成作用および熱水作用を受けた場合に、モルデン沸石が斜プチロル沸石、濁(だく)沸石、方沸石などと生成される。塩湖で沈殿している例があり、これは非常に低温でできていると考えられている。かつてプチロル沸石とよばれていたものは、モルデン沸石と同じものである。英名は原産地のカナダのノバ・スコシア州モルデンMordenにちなむ。

松原 聰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android