モリエ線図(読み)モリエセンズ(英語表記)Mollier diagram

化学辞典 第2版 「モリエ線図」の解説

モリエ線図
モリエセンズ
Mollier diagram

ドイツのR. Mollierによって考案された,蒸気状態変化に要する,あるいは変化により得られるエネルギーの熱当量を容易に求められるようにした線図.エンタルピーiエントロピーSとを直角座標軸(i-S線図)にとって,蒸気の圧力温度,比容積を図中に表してある.i-S線図のかわりにi-p線図(pは圧力),i-H線図(Hは絶対温度)をモリエ線図とよぶこともある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「モリエ線図」の解説

モリエ線図【Mollier diagram】

エンタルピーとエントロピーを両軸にとって熱機関の行程をプロットする線図.このほかにエンタルピーと圧力を座標軸にとったもの(主として冷凍機用)と,水蒸気を含む空気の絶対湿度とそのエンタルピーとの関係とを図示したものも同じくモリエ線図と呼ばれることがある.状態変化に伴うエネルギー量や仕事量を複雑な計算を必要とせずに求めることが可能となる.蒸気ボイラー蒸気タービン,冷凍機などのサイクルの計算に用いられる.ドイツのモリエール(R. Mollier)の考案になるのでモリエール線図*,と呼ぶ向きもある.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モリエ線図」の意味・わかりやすい解説

モリエ線図
モリエせんず
Mollier chart

1904年にドイツの R.モリエによって提案されたもので,エンタルピーを座標の一つにとって,実在物質の状態を線図に表わしたもの。代表的なのは,エンタルピーとエントロピーを両座標にとり,蒸気の圧力,温度,比容積をパラメータとして表わした蒸気のモリエ線図である。これは蒸気機関や蒸気タービンなどの設計にたずさわる技術者にとって欠かすことのできない道具である。 (→蒸気表 )

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