ミヤコグサ(読み)みやこぐさ

改訂新版 世界大百科事典 「ミヤコグサ」の意味・わかりやすい解説

ミヤコグサ (都草)
Lotus corniculatus L.var.japonicus Regel

黄色から黄金色の蝶形花をつけるマメ科多年草で,線路,海岸,野原道端などで目立つ。和名は都(京都)に多く生えていたためとされていたが,基本変種セイヨウミヤコグサL.corniculatus L.(英名bird's-foot trefoil)の漢名百脈根のうちミャッコングサ(脈根草)から由来したともいわれる。茎は地をはうか,または斜めに立ち上がる。葉は互生し,複葉で5枚の小葉があり,3枚は先端で掌状につき,2枚は基部托葉のようにつく。小葉は狭倒卵形,長さ3~20mm,幅2~10mm。花は花序の先端に1~4個が集まり,4~10月に咲き,長さ10~16mm。豆果は細長い円筒形で,長さ2~3.5cm,中に20個内外の種子を入れており,熟すと2片に裂けて種子を飛ばす。種子は褐色,ほぼ楕円体で長さ約1.5mm。日本全土にあり,朝鮮,中国,台湾,ヒマラヤに分布する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤコグサ」の意味・わかりやすい解説

ミヤコグサ
みやこぐさ / 都草
[学] Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)して地に倒伏するか斜めに立ち上がり、長さ5~40センチメートル。葉は狭倒卵形の5小葉からなり、葉軸の先端に3枚が掌状に、基部に2枚が托葉(たくよう)状につく。4~10月、葉腋(ようえき)に柄を出し、先端に1~4個の蝶形花(ちょうけいか)を散形につける。花は長さ約1.5センチメートルで、美しい鮮黄色を呈する。豆果(とうか)は細い円筒形で長さ約3センチメートル、熟すと2片に裂開し、10個ほどの小さな種子を飛ばす。北海道から沖縄にかけての海岸や道端に生え、朝鮮半島、中国、東部ヒマラヤに分布する。名は、昔この草が京都大仏の前の耳塚あたりに多かったことによるといわれる。また花の形が烏帽子(えぼし)に似ているので、エボシグサともよばれる。

[立石庸一 2019年11月20日]


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百科事典マイペディア 「ミヤコグサ」の意味・わかりやすい解説

ミヤコグサ

日本全土,東アジア日当りのよい草地にはえるマメ科の多年草。茎は細く地をはい,長さ30〜50cm。葉はまばらに互生し,長さ1cm内外の倒卵形の小葉3枚からなり,葉柄の基部には小葉に似た1対の托葉がある。4〜10月,葉腋から花柄を出し,頂に,長さ15mm内外の濃黄色の蝶(ちょう)形花を少数開く。

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