ミミカキグサ(耳掻草)(読み)ミミカキグサ(英語表記)Utricularia bifida; bladderwort

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミミカキグサ(耳掻草)」の意味・わかりやすい解説

ミミカキグサ(耳掻草)
ミミカキグサ
Utricularia bifida; bladderwort

タヌキモ科の小型の多年草で食虫植物の1種。アジア東部から南部にかけてと,オーストラリアの温帯から熱帯に分布し,湿地に生える。白色の糸状の地下茎を浅い泥中に伸ばす。葉は長さ数 mmの小さな線形緑色,地下茎からまばらに出て,基部に捕虫嚢を1~2個つける。夏から秋に,少数の膜質の鱗片葉をもつ7~15cmの花茎を直立し,上部に総状花序をなして黄色花を数個つける。萼は2片に分れ,花冠は径4~5mmで距があり,前面は仮面状に開いて下側の唇弁が大きくふくれている。花後に萼は大きさを増して果実包み,耳かき状になるのでこの名がある。近縁種に花が淡紫色のムラサキミミカキグサ U. yakusimensis,数個の紫花をやや密に穂状につけるホザキノミミカキグサ U. racemosaなどがある。

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