ミツマタ(三椏,三叉)(読み)ミツマタ(英語表記)Edgeworthia papyrifera; paper bush

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミツマタ(三椏,三叉)」の意味・わかりやすい解説

ミツマタ(三椏,三叉)
ミツマタ
Edgeworthia papyrifera; paper bush

ジンチョウゲ科の落葉低木。中国大陸原産で,製紙用の原料として日本では広く各地で栽培されるが,逸出して野生化したものもある。樹皮茶褐色で,太い枝が3本ずつ出るのでミツマタといわれる。若い枝は緑色で毛がある。葉は長さ6~8cmの広披針形全縁で,上面緑色,下面は灰白色を帯びる。早春,葉が出る前にジンチョウゲに似た黄色花を枝先に頭状に集めて,下向きに開花する。つぼみは前年の秋,落葉する頃にはすでに垂れ下がってついている。萼は筒状で先端が4裂し黄色。花弁はなく,おしべ8本,めしべ1本がある。樹皮の繊維は強く,古くからクワ科コウゾとともに高級和紙の主原料とされ,紙幣用紙の原料にもされる。高知県をはじめ,四国,中国地方でおもに栽培されている。

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