マルティ(Anton Marty)(読み)まるてぃ(英語表記)Anton Marty

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

マルティ(Anton Marty)
まるてぃ
Anton Marty
(1847―1914)

スイス生まれの言語哲学者。長年プラハ大学の教授を務めた。言語は自然発生的な表現行動ではなく、伝達を目的とする意図的活動であるとの立場をとり、言語形式とは、その目的を達するために経験的に選択される言語手段の形式であるから、その内容としての意味とは区別すべきであると主張し、この点があいまいであった従来文法論を批判した。彼が展開した意味論は、心理学者F・ブレンターノが根本的な心理現象として提示した表象・判断・情意に意味単位を還元させて記述する点に特色がある。主著『一般文法と言語哲学の基礎論的研究』のほか、文法と心理学・論理学の関係を論じたものなど、数多くの著作がある。

塩谷 饒 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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