マヌエル様式(読み)マヌエルヨウシキ

デジタル大辞泉 「マヌエル様式」の意味・読み・例文・類語

マヌエル‐ようしき〔‐ヤウシキ〕【マヌエル様式】

16世紀初めのポルトガル建築様式の一。ゴシック式影響を受け、大航海時代繁栄を思わせる壮麗な作風が特徴。ジェロニモス修道院ベレンの塔に代表される。名称は、ポルトガル王マヌエル1世にちなむ。

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改訂新版 世界大百科事典 「マヌエル様式」の意味・わかりやすい解説

マヌエル様式 (マヌエルようしき)

ポルトガル王マヌエル1世統治期(1495-1521)に行われたゴシック建築様式スペインイサベル様式,初期プラテレスコ様式と同時代で,過剰装飾が特徴。イスラム様式のほか,海洋国らしくモロッコインドの影響も見られ,船具や海産物などのモティーフも多用されている。この様式はほとんどポルトガル全土に及んだが,代表作トマールのキリスト修道院,リスボン近郊ベレンのジェロニモス修道院などがある。
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世界大百科事典(旧版)内のマヌエル様式の言及

【ポルトガル】より

…ロマネスクでは巡礼路様式のコインブラ旧大聖堂(1184),ゴシックへの移行期のシトー会様式ではアルコバーサAlcobaçaのサンタ・マリア修道院(1222)が,ゴシックではバターリャ・サンタ・マリア・ダ・ビトリア修道院(15世紀)が傑出している。この国の建築が偉大な個性を発揮したのは大航海時代で,時の王マヌエル1世(在位1495‐1521)にちなむマヌエル様式と呼ばれる建築様式が生まれた。これは晩期ゴシックからルネサンスにかけて,船具,海産物などのモティーフや植物的モティーフを多用した過剰装飾様式で,全土に広がったが,トマールTomarのキリスト修道院の窓,リスボン近郊ベレンBelémの塔とジェロニモス修道院が代表作とされる。…

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