ポロロカ(読み)ぽろろか(英語表記)Pororoca

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポロロカ」の意味・わかりやすい解説

ポロロカ
ぽろろか
Pororoca

南アメリカ、アマゾン川河口部にみられるボア(海嘯(かいしょう))。ポロロッカということもある。春分の後の新月の日、アマゾン川河口部やその北のアラグアリ川河口部で、浅くじょうご状になっている河口部の地形、大きな潮差、雨期の増水などによって壮大なボアがおこる。高さ4~5メートル、最大8メートルの巨大な波の前面がほぼ鉛直の壁のようになり、河口部からほぼ横一直線をなして上流へと押し上る。その速さは、12~13ノット(毎秒6.5メートル前後)に達する。ポロロカのエネルギーと音量はすさまじく、川岸の草木などをなぎ倒し、音は遠く22キロメートルの内陸部に達するという。ポロロカは世界最大のボアであるが、同種の現象は中国の銭塘江(せんとうこう)、イギリスのセバーン川などの河口部でもみられる。

[半澤正男・高野健三]

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デジタル大辞泉 「ポロロカ」の意味・読み・例文・類語

ポロロカ(pororoca)

ブラジルアマゾン川河口部で、春の大潮の際にみられる海嘯かいしょう。ポロロッカ。

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世界大百科事典 第2版 「ポロロカ」の意味・わかりやすい解説

ポロロカ【pororoca】

ブラジル,アマゾン川下流域でみられる現象で,英語でボアboreと呼ぶ。大潮時に現れる。海洋潮汐波河川をさかのぼると水深が浅くなるため波高を増して砕波する。このように潮汐波が砕波しながら河川を上流へと進むボアは中国の長江(揚子江)などでもみられるが,アマゾン川のボアはとくに壮観で,数mの高さになり,時速十数kmで,河口から数百km上流にまで遡上する。このとどろきの音は二十数kmも離れたところで聞くことができるという。

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