ポルックス(ふたご座)(読み)ぽるっくす(英語表記)Pollux

翻訳|Pollux

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポルックス(ふたご座)」の意味・わかりやすい解説

ポルックス(ふたご座)
ぽるっくす
Pollux

ふたご座のβ(ベータ)星の固有名。ギリシア神話の大神ゼウスの息子で、双子の弟の名前「ポリデウケス Polydeukes」に由来。星座ではα(アルファ)星のカストルと並んで、双子の兄弟を形づくる。日本のある地方では、色の対称からα星カストルを銀星(ぎんぼし)とよぶのに対し、このポルックス金星(きんぼし)とよんでいる。ポルックスの実視等級は1.14等であるが、わずかに変光している疑いもある。赤黄色の光を放つ。天球上の位置は、2000年分点の座標で、赤経7時45分、赤緯プラス28度02分。距離は34光年。スペクトル型はK0の巨星。表面温度は約4700K、質量は太陽の2~4倍程度、半径は8~11倍程度と推定される。毎秒3キロメートルの速度で太陽系から遠ざかりつつある。

岡崎 彰]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例