ベリンツォーナ旧市街にある3つの城、要塞及び城壁(読み)ベリンツォーナきゅうしがいにあるみっつのしろ、ようさいおよびじょうへき

世界遺産詳解 の解説

ベリンツォーナきゅうしがいにあるみっつのしろ、ようさいおよびじょうへき【ベリンツォーナ旧市街にある3つの城、要塞及び城壁】

2000年に登録されたスイスの世界遺産(文化遺産)。首都ベルン南東、ティチーノ州の州都ベリンツォーナのカステル・グランデ、カステーロ・ディ・モンテベーロ、カステーロ・ディ・サッソ・コルバーロの3つの城塞と防衛施設が登録されている。ベリンツォーナは、中世、この3つの城を中心とした難攻不落の要塞都市だった。この町は、アルプス山脈南部の深い渓谷の入り口に位置しイタリア国境も近く、イタリアへ通じる街道など多くの道が集まる交通の要衝であったことから、重要な軍事上の戦略拠点とされてきた。このため、ローマ帝国時代の4世紀半ばには要塞を建造し、13世紀にロンバルディア人たちによってこの要塞に城郭が築かれ、14世紀に入るとベリンツォーナの東にある丘の中腹にカステーロ・ディ・モンテベーロが建てられ、さらに1480年に別の丘の頂上に新しい塔が建てられてカステーロ・ディ・サッソ・コルバーロの中心部になった。また、この頃、カステルグランデとカステーロ・ディ・モンテベーロを結ぶ防壁も建造されている。この町の支配者はイタリア、ミラノヴィスコンティ家スフォルツァ家などめまぐるしく替わり、そのつど、それぞれ要求に基づいて城や防壁、土塁が整備されてきた。◇英名はThree Castles, Defensive Wall and Ramparts of the Market-Town of Bellinzone

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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