ベラスコ(Juan Velasco Alvarado)(読み)べらすこ(英語表記)Juan Velasco Alvarado

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベラスコ(Juan Velasco Alvarado)
べらすこ
Juan Velasco Alvarado
(1910―1977)

ペルー軍人で「ペルー革命」を進めた大統領。北部のピウラで貧しい労働者の子に生まれ、入隊。陸軍大学を経て陸軍総司令官に昇進し、高等軍事大学(CAEM)で改革主義的教育を身につけた。アメリカの石油会社IPCとの協定問題を契機にベラウンデ政権を倒し、軍事革命政権を樹立(1968)。農地改革、外国企業の国有化、労働者・農民の自主管理・経営参加、大衆の政治社会動員の促進(SINAMOS)、インディオの統合、革命外交などを進め、ペルーの自立と近代化を目ざした。しかし上からの改革への国民の支持不足、資金難による外資への従属、軍内部の対立などに対して、病を得たベラスコは対処できず、1975年穏健派のモラーレスFrancisco Morales Bermúdez将軍(1921―2022)の無血クーデターにより退陣した。

[乗 浩子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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