ベラスコ(David Belasco)(読み)べらすこ(英語表記)David Belasco

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベラスコ(David Belasco)
べらすこ
David Belasco
(1853―1931)

アメリカの俳優プロデューサー、演出家、劇作家。少年期から演劇狂で、生地サンフランシスコの内外で多様な芝居修業を積み、1882年ニューヨークに進出、20世紀初頭のブロードウェー興隆期に広範な活動を展開した。文学性ではなく劇的効果を重視し、徹底した写実的な舞台づくりと、そのための照明技術のくふうで名高い。戯曲は共作が多く、メロドラマ性が強い。代表作として、プッチーニオペラ原作となった『蝶々(ちょうちょう)夫人』(1900)がある。また、実業家による演劇界支配の打破にも活躍した。

[一ノ瀬和夫]

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