ファッションショー(英語表記)fashion show

精選版 日本国語大辞典 「ファッションショー」の意味・読み・例文・類語

ファッション‐ショー

〘名〙 (fashion show) 新しい型の服を発表するためにモデルに着せて見せる催し。
※古川ロッパ日記‐昭和一一年(1936)四月二八日「ファッションショウの夕」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ファッションショー」の意味・読み・例文・類語

ファッション‐ショー(fashion show)

新作衣装などの発表会。製品ファッションモデルが身につけて、ショー形式で行われる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ファッションショー」の意味・わかりやすい解説

ファッション・ショー
fashion show

服飾デザイナーやファッション産業などが,新しい作品を発表するために行う催しをいう。フランスではコレクションcollections(présentation de collectionsともいう)といい,かつて春夏,秋冬の年2回行われていた。1954年フランスのファッション・デザイナー,ファトJacques Fath(1912-54)が,彼のオート・クチュールの中にプレタポルテprêt-à-porter(高級既製服)の部門を開き,その中の作品と既製服店のロディエのスカートなどを組み合わせて使うことを発表し,プレタポルテの勃興する契機をつくった。さらにディオールの死(1957)を境として,プレタポルテが強く進出することになる。しかしこれは従来既製服とは異なり,ただ仮縫いのない,すぐに着られるよう用意されている服という意味であった。こうして年2回のオート・クチュールのショーのほかに,オート・クチュールの中にできたプレタポルテの部門とデザイナーのプレタポルテがいっしょに年2回のショーを行うこととなり,計4回のショーが行われることとなった。

 作品の発表に際して,生きた人間に衣服を着せて観客に見せるようにしたのは,19世紀後半に活躍し,オート・クチュールの基礎をつくったC.F.ワースであった。それ以前はスタイル画を展示したり,人形に衣服を着せて展示したりしていた。ワースは新作の服を妻に着せ,競馬場や公園,避暑地,劇場などを歩かせて披露し,ファッション・モデル(フランス語ではマヌカンmannequin)の基をつくった。

 日本で初めてファッション・ショーの名で行われた催しは1927年9月の三越染織逸品会で,30年には上野松坂屋,34年には資生堂ビューティ・ファッション・ショーを開いた。第2次大戦後は48年から再開され,翌年結成された日本デザイナー・クラブが第1回のショーを50年に行った。当時のモデルはキャバレー踊り子や女優であったが,51年毎日新聞社の募集で,初めて職業モデルが誕生した。このときに選ばれた伊東絹子が53年のミスユニバース・コンテストで3位になり,以後ファッション・モデルが脚光を浴びることとなった。そして多くのデザイナーの輩出とともにファッション・ショーも普及した。フランスでは最初,モデルが衣装の番号を右手に持って,無言のまま客席の間を歩いていたが,日本では舞台の上を歩かせ,音楽や説明をつけた。53年3月には《ハーパース・バザー》誌の記者A.ラピエールと,日本人デザイナーとの日仏合同ショーが東京会館で開かれた。11月には文化服装学院の招きでディオールのショーが開かれ,初めてオート・クチュールの全貌が知らされた。各国のショーが,音楽と舞踊などの動きに作品のイメージをのせて演出されるようになったのは,70年前後からである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファッションショー」の意味・わかりやすい解説

ファッションショー
fashion show

モードの新型を特定の客,あるいは不特定の大衆に見せる催し。モデルが実際に着用して見せるのが普通であるが,ショーの形式には,舞台の上で多くの観客に見せるステージショーと,客席の間を縫って歩いて見せるフロアショーおよびその混合形式とがある。 20世紀初期から行われていたが,1950年頃から,既製服メーカーや高級衣装店,織物メーカーなどが新しい製品,スタイルの紹介,宣伝のために定期的に行うようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のファッションショーの言及

【オート・クチュール】より

…しかし,近代のオート・クチュールは,1858年,パリに店を開いてナポレオン3世の皇后ウジェニーのデザイナーとなったイギリス人,C.F.ワースに始まる。彼によって婦人服デザインに男が加わり,それまでの人形(ファッション・ドール)に代わって人間のファッションモデル(マヌカン)を採用し,初めてのファッションショーが催された。また,客の方から店に来て注文するという方法がとられ,西欧の上流階級の女性たちが競って顧客となった。…

※「ファッションショー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android