ヒュペルムネストラ(英語表記)Hypermnēstra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒュペルムネストラ」の意味・わかりやすい解説

ヒュペルムネストラ
Hypermnēstra

ギリシア神話の女性。 50人のダナオスの娘たちの一人。姉妹たちが父に命じられ,結婚を強要した従兄弟にあたる 50人のアイギュプトスの息子たちを婚礼の夜に刺し殺したとき,彼女だけが夫となったリュンケウス生命を助けた。リュンケウスはのちにダナオスと和解して,その跡を継いでアルゴス王位につき,ヒュペルムネストラにより息子アバスをもうけた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヒュペルムネストラの言及

【ダナオス】より

…しかしアイギュプトスの息子たちが追ってきて娘たちとの結婚を迫ったため,ダナオスはやむなく同意したが,娘たちに短刀を与えて,それぞれの夫を初夜の床で殺させた。後代の伝承では,このときただひとり夫リュンケウスLynkeus(のちアルゴスの王位を継ぎ,英雄ペルセウスの祖となった)を殺さなかったヒュペルムネストラHypermnēstraを除く49人の娘は,死後,冥府で穴のあいた甕に水を満たす永劫の罰に服しているという。ダナオスとその娘たちの話は,アイスキュロスの悲劇《救いを求める女たち》によって有名。…

※「ヒュペルムネストラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android