パン・インディアン運動(読み)パンインディアンうんどう

百科事典マイペディア 「パン・インディアン運動」の意味・わかりやすい解説

パン・インディアン運動【パンインディアンうんどう】

部族・地域の違いを超えて,インディアンとしての民族性を意識し,連帯を図る運動。全米アメリカ・インディアン会議(1944年設立)などがさきがけとなった。1950年代に,政府従来条約によってインディアンに対して負っている義務と保護行政を終わらせて一般市民として同化することをねらったターミネーション(連邦管理終結)政策が打ち出されると,これに反対して,政治的権利や文化的伝統の復権をめざす運動が活発化した。とくに1968年設立のアメリカ・インディアン運動(AIM)は〈民族自決〉を掲げ,アルカトラズ島占拠(1969年),内務省インディアン局占拠(1972年),ウーンデッド・ニー占拠(1973年)といった象徴的意味をもつ直接行動を繰り返し,レッド・パワー運動として注目を集めた。これらの運動は,インディアンの民族意識を高め,1977年に国連NGOとなった〈国際インディアン条約評議会〉の活動にもつながった。→アメリカ・インディアン
→関連項目インディアン保留地

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